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ガラクタエッセイ

Yuta Kobayashi / ハヤシユウの活動記録、エッセイ。飽き性です。

音楽の専門学校に入ったからと言って、音楽を学ぶ必要はない

ハヤシユウ(@884yuu)です。音楽学校の非常勤講師として色々な学生を見ていると、思い当たることが一つあります。それは、「音楽をつまらなそうに勉強している」人が少なからずいること。(あれ、でも、音楽に興味があって学校にはいったんじゃないの?)と疑問に思っていたのですが、自分の中で一つの結論が出ました。

音楽に対する「憧れ」と「興味」

専門学校に入るくらいなので、みんな音楽が好きだということはわかります。そこの好きの中に、おそらく「憧れ」と「興味」があるのです。憧れは主に作編曲家やアーティストに対する気持ち、興味は主に楽曲のそのものに対する気持ちです。 作曲で言うと、「憧れ」の人はこんな感じ。

いやー、perfumeの曲はカッコイイなー!僕も中田ヤスタカさんみたいに世界で売れる曲を作りたい!

そして、「興味」の人はこんな感じ。

なんでこの曲、こんなにかっこいんだろう?音色はどのシンセの音かな?コード進行もオンコードを使ってなめらかになっている。僕も試してみたい!

学校では、音楽の制作方法や使える音楽理論について、詳しく勉強していきます。つまり、音楽がどうなっているのか研究して、自分の作曲にも活かす。これは先程のタイプで言うと「興味」の方です。 やっぱり上達が早いのは、音楽(曲の中身)に対する興味が強い人。なぜ、なぜ、なぜ?を繰り返し、それがわかったら自分で試してみる。理論でも、音の響きでも、着々と吸収していきます。 「憧れ」タイプの人は、勉強よりも、まずは実践してみたい(早く上達したい、できるようになるはず)!という気持ちが強く、いきなりレベルの高いものを生み出そうとしがちです。ここで陥りやすいのは、レベルの高いものを目指そうとするばかり、最初から挫折してしまうパターン。そうすると(どうせ出来ない、つまらない)という気持ちが生まれてしまいます。 実は、憧れてるからといって、「音楽を作るのが好きかどうか」はやってみないとわからないものです。「憧れ」のタイプの人が全員挫折するかというとそうではなく、「好きかも!」「苦手かも!」に別れます。それはやってみないとわかりません。

学校は経験の幅を増やす場所

音楽の学校に入学したのに、音楽が苦手かもしれない・・・ということに気づくのは、相当ツライことです。これから先、いやいや授業を受けなければいけない・・・。そんなことはぜひ避けたいもの。 そこで、オススメの考え方が一つあります。 「学校は経験の幅を増やす場所」 音楽の学校に入学したからといって、音楽だけを勉強する必要はありません。むしろ、音楽以外のことにたくさん触れてください。学校では音楽の他にも様々な授業もあり、僕はここでデザインやプロモーションにも大きく興味を持ちました。これも「やってみなければわからなかった」ことです。 人間、「興味」を持ったことに対しては、自分で学び始めます。逆に、強制されたものや苦手なものに対しては学習意欲が低下します。それを活かして、自分で「興味」のもてるものを探したほうが良いのです。 極論、音楽の学校にいても、デザインの方が楽しいなら、デザインの学校に転校しちゃうのが吉です。もしくは、学校辞めて、余った時間とお金で独学するとか。

進路変更、大いにけっこう

僕の高校時代、割りとツンデレな先生がいまして、口癖が「進路変更、大いにけっこう」というものでした。これは何かというと、成績の悪い学生に対して、「勉強が苦手なら、別の学校に行って、違うことを学べば?」と暗に示しているものでした。僕は情報系の専門学校で、数学や物理、電気の授業が多かったのですが、たしかに苦手な勉強しててもつまらなかったもんな(もしかしたら、本当に悔しさを煽っているのかもしれないけど・・・)。 僕はそれこそ、プログラミングにあこがれてはいった学校でしたが、電気や物理がどうしても苦手で、逆に音楽に対する興味(これは吹奏楽部にはいってしまったため)が強まって、進路変更を決めました。

学校の内で、外で、色々な物に触れること

ぶっちゃけ、僕は作曲が自分の転職だとも思っていません。特にプライドもありません。今はなんとなく曲作りが楽しくて、作った曲がかっこいいと自分で思えて、需要も少しはあるのでやっている、というような感覚です。もしかしたら3年後、違う職業についているかもしれませんし、もっと作曲を極めているかもしれません。 なぜかというと、まだ自分が出会ったことのない天職があるかもしれないからです。まだやったことないけど、チラシ作りの仕事とかして、めちゃくちゃ楽しい!って思えたら作曲辞めるかもしれないし、5年後、10年後には今に無い職業もどんどん出てくるでしょう。もしくは、自分でも仕事を作っていくような気がします。 とにかく、その興味の幅を広げるには、やっぱり経験しかありません。今学校に通っている人もそうでない人も、自分のコミュニティの内側で、外側で、とにかくたくさんのものに触れましょう。「やってみないとわからない」ことが本当にたくさんあります。「憧れ」でものを決めるのではなく、「実際にやってみて楽しいこと」でものを決めるのが、次のアクションに繋がるのだと思います。