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ガラクタエッセイ

Yuta Kobayashi / ハヤシユウの活動記録、エッセイ。飽き性です。

【書籍】「ナリワイをつくる」を読む ― 生活を自分で作る

以前からおすすめされていた本なのですが、電車旅行でまとまった時間がとれましたので、読んでみました。うーん。これはすごく共感できる点が多かったですね。少しだけ紹介していきますね。

まず、この言葉を初めて聞いた人のために、本文初めの2行を引用してみます。

ナリワイとは、生活の充実から仕事を生み出す手法である。作戦としては、守りを固めてから攻めるのが、基本である。

この一言でもあまりパッとしないとは思いますが、読み進めていくとそういうことか!とわかります。かなり平たく言ってしまえば、健康的で、面白くて、体と頭が鍛えられて、仲間もできる、(小さな仕事)ということですかね。 僕が目指しているのも、間違いなくこれだ!と思いました。 作曲で月数万円~数十万円稼ぎつつ、余った時間は農業やったり、小さな仕事をいくつもしていきたい。現時点で作曲、非常勤講師、NHKリポーターといくつかお仕事させていただいて嬉しい限りですが、もう少し自分でも作っていければ、という感じです。 たとえば、新潟は豪雪地帯ですが、屋根に積もった雪で家屋の倒壊のおそれがあります。山岳地帯に住むお年寄りなんかは、自分で雪下ろしができないので業者に頼むのですが、一回2~3万円もするんですね。これを僕がやるとしたら5千円くらいでも十分なのにな、と思います。しかも、雪下ろしってやれば感謝されるし、やってる最中も意外と楽しいんです。最初は腰を痛めますが、慣れればなんともないですし。 まあ、雪下ろしに限らず、色々な仕事を作れそうな世の中ではあるので、そういった目線で日常を見ていくと面白いです。

ナリワイを作る - 旅行業界の場合

たとえば、筆者の作っているナリワイの一つ、「モンゴル武者修行」の前提として、このような問題を挙げています。

いま、旅行業界は競争が激しい。(中略)効率のいい形にするためには、決まった観光名所を巡るような無難な形にしつつ、ホテルやお土産屋からのキックバックを狙いながら低価格を実現することになる。

競争が激しいがために、低価格を目指す、その結果、旅行の内容自体は均一化されたつまらないものになる、ナリワイはここに切り込む、とそういうことです。 本からは少し外れてしまいますが、僕も電車旅をしていて物足りないな、と思ったのはここですね。すでに、観光資源は場所ではなくて人にあるような気がします。名所である○○城とか、○○通りとかを巡ったり、名物を食べてみたりしても、旅行の充実度はそこまで高くない。それどころか、お金をどんどん消費してしまう。 たとえばですが、旅行する先々に友だちがいたら、その人に案内してもらいつつ、おしゃべりもしつつ、地元民しか知らないようなスポットにも連れて行ってもらう。そんなことができたら充実度はかなり高いのではないかと思います。 ただ、現状、全国各地に友だちがいるという状況ではないですし、いたとしても日程の都合がつくとは限らないので、難しい問題です。 ・・・ということはここもナリワイになり得る・・・? 僕も勝手に新潟観光大使になろうかな。新潟に旅行に来る際は僕がそれなりに案内しますのでぜひお声がけを!笑

いろいろ引用してみるよ

他にも、気になった点をいくつか抜粋してみたいと思います。(必ずしも順番に紹介しているわけではありません。また、抜粋はハヤシユウの主観で抜き出しており、必ずしも筆者の意図を汲みとったものではありません。)

ナリワイのいいところは、生活と一体化しているから、自分の生活コストも激減させることができるところだ。

自分で仕事を作るということは、自分で困ったこと・おかしいと感じたこと・はたまた、友達の生活の手助けなどをすることであるから、生活と結びついています。そうしてスキルを身につけていけば、それ以降の生活も少しずつ自分でできることが増えていきます。

ナリワイの考え方の真髄の一つは、稼がなきゃ稼がなきゃと外部の環境に振り回されるより、自分の生活をつくる能力を磨き、それをちょっとした仕事にしてしまうほうが確実ではないか、ということなのである。

この本ではたびたび「外部要因の罠に惑わされるな」と書いてあります。まずは、それが本当に正しいのか?常識はすべて鵜呑みにしていいのか?自分の頭でしっかり考えることが必要になります。

世間の声というのは、起業に対して何かと高いハードルとプレッシャーをかけがちである。

これも外部要因の一つ。たしかにいきなり大掛かりなことを始めようとすると初心者には大変ですが、まずはローコストで出来る範囲からやってみる、小さな仕事であればまわりの批判を気にする必要はないかもしれません。

いきなり多様性を激減させれば、矛盾も大きくなる。(p.34) 現代社会では仕事が果たして何のために行われているのかさっぱり理解不能、という現象が頻発するようになってしまった。(p.69)

(複業が主流だった少し前の時代から、高度経済成長が始まって、専業が主流になり、仕事の幅も減ってきた、という背景を受けて、)多様性を排除してきたことによって、働き方に行き詰まりが生じています。過労死ニート問題なども、広い目で見れば働き方の多様性が低下していることが原因では。

何か矛盾がある以上、それを解決することを行えば仕事になる。

このような働き方の矛盾でもそうですし、教育や、ブライダル事業など、「そもそもこんなに費用が必要なのか?」等、少しでも矛盾を感じれば、そこには切り込むチャンスがあります。 たとえばブライダルの現場では、プロとしてノーミスで進行させつつ、効率も求めないといけないから、どうしても形式的になってしまう。参加者にも協力してもらい、手作りの結婚式を作っていくことでローコストで充実した式をあげられるのでは?というような見解が書いてあります。

(パンを焼く技術や家を建てる技術に触れた後で)~このような技術は、少し時間を掛ければ誰でも習得可能なものであるはずだ。

たしかに、今ではこれらの仕事は専門家に任せないと出来ないという固定概念がありますが、家なんかも自分で作れたら楽しいかもしれないですね。一からつくるのが難しいにしても、たとえば小さな小屋を作ってみたり、家具作りから初めたり、慣れてきたら床貼りをしてみたり。なににしろ、スキルも身について、みんなでやれば仲良くなれるし、長続きする喜びがあります。

キーワードは「コツを覚えて訓練すれば人間たいていのことはできる!」だ。

難しいとされている作業も、実際やってみるとそこまでではないかもしれない。難しそうに「見せかけているだけ」であって、それに惑わされてはいけません。まずは、自分でやってみること。

収入も増えつつ同時に支出も減っていくという「ダブルインカム」状態が生み出されるわけである(「ダブルインカム」の本来の意味とは違うけれども)。

収入が同じAさんとBさんがいたとして、Aさんはただ働いてるだけだけど、Bさんは自分で家を建てられます、野菜も育てられます、自転車のパンクも直せます、っていったらどっちが貯金貯まるかは明白です。収入を稼ぐことと同じくらい、またはそれより先に、支出を減らすことを考えることも大事です。

教育に関わるビジネスについては、やっている人が儲かるのはいいけど、学びが実になるのかどうか、本来はそっちのほうが重要である。

よくわからないセミナーとかいっぱいありますね。僕も非常勤として教えている立場なので、ここはちゃんとやらないと。

現代社会は、事前情報が多すぎるので、いつまでたっても始められない、ということが頻発する。とりあえず小さい規模でいいので、何かしら実行してみて自分の体で経験を得る、ということが肝心だ。二次情報をいくら集めても、それの正誤を判断するための体験が自分に足りないと、集めた情報を役立てることができない。

インターネットで検索すればなんでもわかってしまう時代ですが、実際に足を運んで、手を動かして分かることも多いです。作曲も理論やメソッドはいくつかありますが、とりあえず曲を作ってみたほうが早いのと同じ。

空き家率は既に全国平均で13%に達しており、~

この問題に関しては他の文献やサイトから引用したほうがよかったかもしれないですね。別荘も少しは含まれているようですが、とにかく、8軒に1軒が空き家であるということです。なぜ家の問題ばかりをとりあげるかというと、僕自身も住宅の高さには嘆いていて、どうにかならないものかと日々悩んでいるので、住宅の情報に関しては過剰に拾ってしまいます。今後、人口は減少して、空き家は増えていくのに、新築を作り続ける、という風潮はどうなっていくのでしょうか。もうちょと家の中古市場が盛り上がればいいなとも思いますが、余ってる空き家を有効に活用できるシステムが登場することを願います(実際はそんな大掛かりなことあんまり考えてなくて、まず自分も使ってない空き家をもらって、使ってみたいと考えている程度ですが)。

お金を使って何かを成し遂げるというのは、ありふれた行為だ。ようは誰にでもできる行為なのだ(実際は大金を使える人は限られているが)。

お金の価値を否定するわけではないのですが、お金で何でもかんでも手に入れようとするとコミュニケーションが無くなったり、自分で考えることをやめてしまったり、弊害が多いように思います。少ない元手で、工夫して何かを作り上げていくことが、頭も体も使えて楽しいコトなのだと思います。また、筆者はそのためのいい時代に来ているとも考えています。

余裕を持つためには、何回も言っているが、なるべく固定費がかからないようにしておくこと。

家賃もそうですし、食費や交通費、教育費など、を出来るだけ低く抑える努力をしてみると、身動きが取りやすくなる。

日々頑張り過ぎないようにしっかり生活することがナリワイづくりの基本になる。

上記の固定費にくわえて、仕事なども頑張り過ぎないように、適度に時間を作っておく。いざというときに俊敏に動けるためには、余裕が必要です。

まとめ

疲れてきたので中途半端ですが引用やめます。まあ、メッセージとしてはだいたいこんな感じです。まわりの情報を鵜呑みにせず、何が最善のリスクヘッジかよく考えて、矛盾を見つけたらとにかく小さいことでも実行していく。自分の生活を自分で作っていく。 この本では(書いてあるとおり)、指南書やハウツー本ではなく、こんな生き方もあるから、自分で考えてみてねっていう、提案型の本です。 今まで意識ゆるい系とか、頑張らない生き方とか、直感で生きるとか、いろいろとか書いてきましたが、割りとこの一冊に集約されてる印象を受けました。良書。